岡山県のほぼ中央に美咲町立旭図書館があり、その2階には平成9年（1997）併設の「岸田吟香記念館」がある。
岸田吟香（1833-1905）は、幕末から明治にかけての実業家で、ジャーナリスト、慈善家であるが、反面、櫻をこよなく愛し、絵画を好み詩を詠み多くの作品を残している。
これら吟香の芸術的才能を継ぐ画家、岸田夏子氏（東京都）や岸田尚氏（東京都）、布下満氏（旧姓岸田、総社市）、この3人を紹介するコーナーを、このほど記念館入口に設置した。
ガラス張りのケースには、各画家のプロフィールや絵画（写真含む）、執筆した書籍や講演会などチラシ、手紙なども置き、ここに来れば末裔にあたる画家に会うことができる。
その隣には、岸田吟香が助言・指導した孤児救済「愛育堂」に関する資料を歴史研究家・青木正文氏（兵庫県丹波市）からいただき設置している。
この資料は、孤児救済の先覚者・大野唯四郎（現丹波市氷上町出身）の手記を纏めたもの。吟香がかかわったとして新発見したもので、図書館でも閲覧することができる。
このコーナーは、今後更に充実していくので興味のある人は是非一度足を運んでほしい。