岡山県北情報⇒
小説「この世はままよ」紹介

○○○○ 幕末から明治期、新生日本の建設に多大な貢献をした美咲町出身の岸田吟香、吟香を中心に描かれた小説「この世はままよ”Let it be as it is”岸田吟香と愉快な風流人たち」を、劇作家阿部ゆかりさん(横浜市在住)の紹介で手に入れたので紹介します。
この小説は、挙母藩を脱藩、遊郭の主人に落ちたときから始まる。銀次と名乗り、名を吟香に変えた後、ヘボンとの出会いで、ジョセフヒコ、清水卯三郎、下岡蓮杖、中川嘉兵衛、中村正直、清国の友人、知人、商売相手、まだまだ多くの出会いを重ねながら世界に羽ばたいていく吟香の姿を描いている。
著者は吟香を鋭く観察し、よくぞここまで調べたものだと感動する。この小説を読んでいただくと、吟香の本当の姿というか考え方や面白さがリアルに伝わってくる、とても素晴らしい読み応えのある一冊で、みなさんに是非紹介したい。
「ままよ、ままよ」で荒波を乗り越えた吟香は、ヘボンの力があってこそ成し得たものだが、ヘボン77歳で帰国の途に着くとき、Let it be as it isと言って作り笑いを浮かべるヘボンに、吟香は抱きつき涙があふれた。ヘボンに出会わなければ吉原の片隅で盲目になった腐ったまま死んでいたかもしれない。泣けてしょうがなかった。人生の価値、人間の価値を教えてくれる恩人だった。と。
 終わりに、「ところで、おいらの死後、資産を整理してみると、なんと6万円(現代の価値にすると12億円)からの借金が残っていたそうだ・・・とほほ。債務者の方々、ご迷惑をかけ、かたじけない。やっぱりおいらは、商売には向いていなかったってことかもな。それではみなさん、お先に、あの世でお待ちしています。」と締めくくっている。
・著 者 岡崎大五(おかざきだいご)
・発 行 2024年6月10日
・発行所 岡崎大五事務所(0558-23-6805)
・著者紹介
 1962年愛知県生まれ。『添乗員騒動記』(旅行人)で作家デビュー。『添乗員奮戦記』(角川文庫に収録)等人気を博した添乗員シリーズの他、『日本は世界で第何位?』(新潮新書)、『北新宿多国籍同盟』(祥伝社文庫)、『食べるぞ!世界の地元メシ』(講談社文庫)など著者多数。2003年より静岡県下田市在住。下田出身の写真の開祖下岡蓮杖を調べたことから、友人だった本書の主人公、岸田吟香に辿り着く。本書には下岡蓮杖も登場する。2023年より下田市市会議員。

岡山県北情報掲示板 mail:info@owow.jp